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略奪と創造

家族なのに競争してしまう理由|兄弟姉妹に起きる静かな搾取

家庭編〈兄弟姉妹〉|比べられた瞬間、家族は競争になる

兄弟姉妹は、
最も身近な存在だ。

同じ家で育ち、
同じ親のもとで生活し、
同じ時間を共有する。

だからこそ、
そこには無意識の比較が生まれる。

・お兄ちゃんなんだから
・妹なんだから我慢しなさい
・あの子はできるのに
・あなたも見習いなさい

その言葉は、
悪意ではなく
調整として使われる。

だが、
調整はいつの間にか
競争に変わる。

比較は、序列をつくる

兄弟姉妹が複数いる家庭では、
親はどうしても
“違い”を見つける。

・成績がいい子
・手がかからない子
・空気を読む子
・問題を起こす子

それぞれに
役割が割り当てられていく。

ここで重要なのは、
誰もそれを
「決めよう」としていない点だ。

ただ、
扱いやすさ
ラベルになる。

役割は、逃げられない

一度ついた役割は、
なかなか外れない。

・しっかり者
・問題児
・可哀想な子
・期待の星

子どもは学ぶ。

「この位置にいれば、
 家庭は安定する」

だから、

・本当は甘えたいのに、我慢する
・本当は頑張っているのに、評価されない
・本当は苦しいのに、黙っている

役割を守るために、
自分を削る。

愛は平等でも、扱いは平等ではない

親はよく言う。

「どの子も同じように愛している」

それは嘘ではない。

だが、
同じように扱われているかは別だ。

・期待のかけ方
・注意のされ方
・頼られ方
・放置され方

これらは、
子どもに
明確なメッセージを送る。

——自分は、どういう存在か。

「譲れ」は最強の命令になる

年上の子は言われる。

・お兄ちゃんなんだから
・お姉ちゃんなんだから

これは一見、
美徳の教育に見える。

だが実際には、

・欲しいものを我慢する
・不公平を飲み込む
・感情を後回しにする

ことを
常態化させる言葉だ。

譲ることが、
愛される条件になる。

逆に、守られすぎる子も縛られる

一方で、

・小さいから
・可哀想だから
・この子は弱いから

と守られる側も、
自由ではない。

・自分で決められない
・責任を持たせてもらえない
・失敗が許されない

結果、
自立の機会を失う。

守りは、
時に
能力の否定になる。

兄弟姉妹は敵ではない

ここで誤解してはいけない。

兄弟姉妹が
争っているように見えるのは、
配置の問題だ。

・限られた承認
・限られた安心
・限られた愛の表現

それを取り合う構造に
置かれているだけ。

敵は、
きょうだいではない。

大人になっても、序列は残る

成長しても、
その感覚は消えない。

・なぜか実家に帰ると疲れる
・兄弟と会うと役割に戻る
・無意識に比較してしまう

それは、
過去の配置が
今も続いているからだ。

問題は性格ではなく、構造

・優しい兄
・甘え上手な妹
・問題児の弟

それは
生まれつきの性格ではない。

家庭がそう
機能させた結果だ。

誰も悪くない。
だが、
誰かが削られる。

もし今、

・兄弟姉妹と距離を取りたい
・実家に帰ると自分を演じてしまう
・なぜか昔の役割に戻る

そんな感覚があるなら。

それは、
あなたの心が狭いからではない。

家庭が
そういう形で
設計されていたからだ。

この先では、

  • なぜ比較が正義になるのか
  • なぜ家族内で競争が生まれるのか
  • なぜ誰も悪くないのに苦しくなるのか

を断罪せずに整理していく。

神格反転・構造録 第1章「搾取」(完全版)を読む