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略奪と創造

なぜ上司の一言で消耗するのか|職場に埋め込まれた構造

職場編〈上司〉|その違和感は、相性ではない

上司が原因で、
仕事がつらくなることがある。

・話が通じない
・評価が曖昧
・機嫌で態度が変わる
・正論だけを振りかざす
・なぜか自分だけ疲れる

こういうとき、
人はだいたいこう考える。

「この上司が悪い」
「相性が最悪だ」
「運がなかった」

だが、
それだけでは説明できないことが多い。

上司は「人」ではなく「位置」でもある

職場における上司は、
単なる一人の人間ではない。

・評価を出す
・仕事を割り振る
・正しさを定義する
・空気を決める

上司は、構造の出口に立たされている存在だ。

その位置に立った瞬間、
人格よりも
役割が前に出る。

上司が「おかしくなる」条件

最初から横暴な人間ばかりではない。

むしろ多いのは、
途中から変わっていくケースだ。

・プレイヤー時代は優秀
・部下の気持ちも分かっていた
・理不尽を嫌っていた

それが、

・評価責任を負わされる
・数字を背負わされる
・上からの圧が来る

この瞬間、
上司は緩衝材になる。

圧力は、必ず下に流れる

構造の基本はシンプルだ。

・上からの要求
・達成しなければならない数字
・失敗できない立場

これらは、
上司一人では処理できない。

だから、
無意識に下へ流れる。

・仕事が増える
・要求が厳しくなる
・曖昧な指示が増える
・責任だけが残る

ここに、
必ずしも悪意はない。

「ちゃんとやれ」は、構造語である

上司がよく使う言葉がある。

・ちゃんとやって
・普通そうするでしょ
・プロなんだから
・みんなやってる

これらは説明ではない。

判断を省略するための言葉だ。

本当は、

・時間が足りない
・仕組みが破綻している
・無理がある

それを言語化できないまま、
部下に丸投げしている。

評価を握る人間は、正しさになる

上司が怖い理由は、
怒るからではない。

評価を持っているからだ。

・給料
・昇進
・立場
・居心地

これらが一人に集中すると、
その人の判断が
「正解」に見え始める。

反論は、

・生意気
・協調性がない
・空気が読めない

として処理される。

いい上司ほど、部下を削ることもある

皮肉な話だが、

・面倒見がいい
・責任感が強い
・自分がなんとかしようとする

こういう上司ほど、

・頼りやすい部下
・断らない部下
・頑張る部下

に仕事が集まる。

結果、
「上司の善意 × 部下の善意」
で消耗が加速する。

誰も悪くない。
だが、疲れる人は決まっている。

上司を変えても、再現される理由

よくある選択肢。

・部署異動
・転職

これで楽になることもある。

だが、
また似た構図が現れることも多い。

なぜか。

上司個人ではなく、
上司という位置が
同じ機能を果たしているからだ。

人が変わっても、
流れが変わらなければ
同じことが起きる。

問題は「人格」ではなく「設計」

ここまでの話で重要なのは、

・上司を断罪しない
・部下を責めない

という点だ。

問題は、

・評価が集中している
・責任が曖昧
・仕事の流れが見えない
・拒否が許されない

この設計そのものにある。

もし今、

・上司の顔色を常に気にしている
・説明のない要求に疲れている
・何をしても評価されない

そんな感覚があるなら。

それは、
あなたの努力不足でも、
上司の人格の問題でもない。

構造として、
削られやすい位置にいるだけ
だ。

この先では、

  • なぜ善意が負担になるのか
  • なぜ正しさが疑えなくなるのか
  • なぜ逃げても再現されるのか

を、
誰も悪者にせず整理していく。

神格反転・構造録 第1章「搾取」(完全版)を読む