奨学金は借金なのか?おかしいと思う理由と借りる前に知るべき返済の現実

奨学金という言葉には、どこか優しい響きがあります。
- 学びたい人を支える制度
- 家庭の経済状況に関係なく進学を助ける制度
- 夢をあきらめないための制度
そう聞くと、とても良いもののように感じます。
もちろん、奨学金によって大学や専門学校に進学できた人は多くいます。奨学金がなければ、進学そのものを断念せざるを得なかった人もいるでしょう。その意味で、奨学金という制度に価値がないとは言えません。
しかし、ここで一つ、はっきりさせておくべきことがあります。
奨学金は、完全にもらえるお金なら借金ではありません。けれど、返済義務がある貸与型奨学金は、名前がどれだけ柔らかくても、実質的には借金です。
ここを曖昧にしたまま借りると、あとで苦しくなります。
- 「奨学金だから大丈夫」
- 「みんな借りているから大丈夫」
- 「大学へ行くためなら仕方ない」
- 「就職したら返せるはず」
そう考えて借りたお金が、卒業後、毎月の返済として現実になります。学校や親は、「お金がないなら奨学金を借りればいい」と言いやすいかもしれません。
けれど、実際に返していくのは本人です。
この記事では、奨学金は借金なのか、奨学金と借金の違いは何か、奨学金返済がきつくなる理由、借金地獄を避けるための考え方、そして教育のために若者が借金を背負う構造のおかしさについて考えていきます。
この記事の執筆者:暁月魔鬼真
神格反転プロジェクト代表。京都大学総合人間学部人間科学系専攻現代文明と科学副専攻卒。
大学卒業後は、IT、教育、家電、飲食、観光、救急、個人業など、様々な職種を転々とする。実家はお金に余裕がなかったため、奨学金を利用しているが、社会システムを調べる中で、この判断が必ずしも正しくなかったと後悔している側面があります。それを踏まえて本記事を執筆。
現在は、物語の脚本、イラスト、動画制作、翻訳、記事執筆など、普段は見えにくい社会の構造を読み解いていく神格反転プロジェクトの運営をしている。
[お好きな場所からどうぞ]
1. 奨学金は借金なのか?給付型と貸与型の違い
2. 奨学金の平均はいくら?貸与総額と返済年数の現実
3. なぜ奨学金返済はきついのか|収入が安定するとは限らない
4. 奨学金が借金地獄になるケース|借りた時点では見えない負担
5. 学校や親が「借りればいい」と言いやすい構造がおかしい
6. ローンビジネスとしての奨学金|未来の労働から価値を吸い上げる構造
7. それでも奨学金を借りてもよいケース|投資回収できる見込みがあるか
8. 奨学金を安易に借りるべきではないケース
9. 返済がきつい時に知っておくべき制度|減額返還・返還期限猶予
10. 奨学金を借りる前のチェックリスト
11. 奨学金問題の本質|教育に借金を背負わせる社会構造
12. まとめ|奨学金は「支援」に見えるが、貸与型は借金として考えるべき
13. 見えない構造を読み解きたいあなたへ
1. 奨学金は借金なのか?給付型と貸与型の違い
まず、奨学金には大きく分けて二つあります。
一つは、返済不要の給付型奨学金。
もう一つは、返済が必要な貸与型奨学金です。
給付型奨学金は、原則として返す必要がないお金です。これは借金ではありません。学ぶ人を支援するために給付されるものです。
一方、貸与型奨学金は、返済が必要です。
JASSO、日本学生支援機構は、貸与奨学金について「返済必要」と説明しており、国内の奨学金には利子の付かない第一種奨学金と、利子の付く第二種奨学金があるとしています。入学時特別増額貸与奨学金も利子付きです。
つまり、貸与型奨学金は、制度上も「借りるお金」です。
ここで重要なのは、「奨学金」という名前に惑わされないことです。
返済義務がないなら支援。
返済義務があるなら借金。
このくらいシンプルに考えた方がいいです。
もちろん、貸与型奨学金には民間ローンとは違う面もあります。JASSOの資料では、採用時に収入に基づく信用調査をしないこと、無利息または低利で貸与していること、返還困難時の減額返還制度や返還期限猶予制度があることなど、一般的な民間ローンとは異なる特徴も説明されています。
だから、「奨学金は普通のカードローンと完全に同じだ」とまでは言いません。しかし、返済義務がある以上、借金であることに変わりはありません。
「奨学金は借金とは違う」と考えすぎると、返済の重さを軽く見てしまいます。大切なのは、制度の名前ではありません。借りたお金を、将来の自分の労働で返していくという現実です。
2. 奨学金の平均はいくら?貸与総額と返済年数の現実
奨学金が怖いのは、借りる時には毎月の金額が小さく見えやすいことです。
たとえば、毎月5万円を借りるとします。
1か月なら5万円です。
そこまで大きく感じないかもしれません。
しかし、4年間借りるとどうなるでしょうか。
5万円 × 48か月 = 240万円。
毎月8万円なら、
8万円 × 48か月 = 384万円。
ここに利子がつく場合、返済総額はさらに変わります。
「毎月数万円だから大丈夫」と思っていても、卒業時には数百万円の返済義務になっていることがあります。
JASSOの奨学金事業データ集では、大学学部生の第一種奨学金の平均貸与総額は208万円、平均返還年数は14年、第二種奨学金の平均貸与総額は336万円、平均返還年数は17年とされています。
つまり、奨学金返済は「卒業して数年で終わるもの」とは限りません。20代前半から返済が始まり、30代半ば、場合によっては30代後半まで続くこともあります。これは、人生のかなり長い期間に影響します。
- 就職
- 転職
- 結婚
- 出産
- 住宅
- 独立
- 病気
- 親の介護
こうした人生の選択に、毎月の奨学金返済が関わってくる可能性があります。
JASSOは、いくつかの質問に答えることで、貸与総額、毎月返還する金額、返還が完了する時期などを試算できる「奨学金貸与・返還シミュレーション」を提供しています。借りる前に、必ずこうしたシミュレーションで現実の数字を見るべきです。
奨学金を借りる時に必要なのは、「借りられるかどうか」だけではありません。本当に見るべきなのは、
- 毎月いくら返すのか
- 何年返すのか
- 総額いくら返すのか
- その返済を、就職後の手取りで無理なく続けられるのか
ここです。
3. なぜ奨学金返済はきついのか|収入が安定するとは限らない
奨学金を借りる時、多くの人はこう考えます。
- 「卒業して働けば返せる」
- 「大学に行けば就職できる」
- 「正社員になれば安定する」
- 「毎月少しずつなら返せる」
たしかに、そうなる人もいます。大学や専門学校に行き、資格や専門性を得て、安定した収入につながるなら、奨学金を利用する意味はあります。しかし、現実は必ずしも計画通りに進みません。
就職した会社が合わないこともあります。
ブラック企業に入ってしまうこともあります。
メンタルを壊して辞めることもあります。
非正規雇用になることもあります。
給料が思ったほど伸びないこともあります。
病気や家庭の事情で働けなくなることもあります。
それでも、奨学金の返済は続きます。
たとえば、大学時代に毎月8万円を借りた人がいたとします。卒業後、正社員になった。しかし、手取りは思ったほど多くないということが少なくないです。
- 家賃
- 食費
- 通信費
- 水道光熱費
- 税金
- 社会保険料
- 交通費
- 医療費
そこに奨学金返済が乗ってきます。昨今の物価高も考えると、その負担がかなり大きく感じるかもしれません。
この状態で、会社がつらくても辞めにくくなります。
- 「辞めたら返済できない」
- 「転職活動中も返済は続く」
- 「実家に頼れない」
- 「貯金もない」
こうなると、奨学金は単なる教育費ではなく、人生の選択を縛る鎖になります。
全国大学生活協同組合連合会の学生生活実態調査でも、給付型奨学金や授業料減免などの支援が広がる一方で、貸与型奨学金の受給者は暮らし向きが苦しいと感じる学生が相対的に多く、返済不安などの困難を抱える割合も高いと報告されています。
奨学金返済がきつい理由は、単に「借りた金額が大きいから」だけではありません。
借りた時点では、将来の収入も、働き続けられるかどうかも、人生に何が起きるかも分からない。にもかかわらず、返済義務だけは先に確定してしまう。ここに大きな問題があります。
偶然あなたの卒業する年が就職氷河期にあたる可能性もあります。そうなると、当初は給料が高い会社に入れる予定が、想像以上に給料が低い会社に入ってしまい、予定が変わる可能性もあります。
4. 奨学金が借金地獄になるケース|借りた時点では見えない負担
「奨学金の借金地獄」という言葉は、少し強い表現です。
奨学金を借りた人全員が借金地獄になるわけではありません。きちんと就職し、無理なく返済している人も多くいます。しかし、返済が苦しくなるケースは確実にあります。
令和6年度のJASSO返還者属性調査では、2024年12月末時点で3か月以上延滞している延滞者の参考母数は12.7万人、無延滞者は457.0万人とされています。返済困難に陥る人が一定数存在することは、制度上も見逃せない現実です。
たとえば、こういうケースがあります。
ケース1|就職した会社を辞めて返済が重くなる
大学時代に300万円以上の奨学金を借りた。
卒業後、正社員として就職した。
最初は返せると思っていた。
しかし、入った会社が長時間労働の職場だった。
上司のパワハラもあった。
体調を崩し、1年で退職。
退職後も奨学金の返済は続く。
- 転職活動中は収入が減る
- 貯金も減る
- 生活費をクレジットカードで払う
- カードの支払いも苦しくなる
最初は奨学金だけだったはずが、生活費の借金も重なっていく。このように、奨学金単体では返せると思っていても、人生の変化が重なると一気に苦しくなることがあります。
ケース2|返済のために会社を辞められない
- 会社がつらい
- 人間関係も悪い
- 毎日辞めたいと思っている
しかし、奨学金の返済がある。
- 家賃もある
- 生活費もある
- 親にも頼れない
だから、辞められない。この場合、奨学金は「学ぶためのお金」だったはずなのに、卒業後は「会社に縛りつける鎖」になることがあります。
これはかなり大きな問題です。教育を受けるために借りたお金が、将来の働き方の自由を奪う。これが、奨学金返済の重さです。
ケース3|保証人や家族に負担が及ぶ
奨学金は本人だけの問題に見えるかもしれません。しかし、人的保証を選んでいる場合、返済ができなくなると保証人や連帯保証人に影響が及ぶ可能性があります。
本人は自分の問題だと思っていた。
けれど、返済ができなくなり、家族にも請求が行く。
こうなると、奨学金は個人の借金ではなく、家族全体の問題になります。ここでも、「奨学金」という言葉の柔らかさと、返済義務の重さのギャップが見えてきます。
奨学金は、借りる時には希望として語られます。しかし、返せなくなった時には、現実の借金として迫ってきます。
5. 学校や親が「借りればいい」と言いやすい構造がおかしい
奨学金の問題で気になるのは、学校や親が「借りればいい」と言いやすいことです。
もちろん、悪意があるとは限りません。
先生は進学してほしいと思っている。
親も子どもの可能性を広げたいと思っている。
お金がないからといって、進学をあきらめてほしくない。
その気持ちは分かります。
しかし、ここで大事なのは、借りる時に背中を押す人と、返済していく人が違うということです。高校の進路相談で、
- 「奨学金を使えば進学できる」
- 「今は多くの学生が借りている」
- 「大学へ行った方が将来の選択肢が広がる」
と言われる。
でも、その時に、
- 「毎月いくら返すことになるのか」
- 「何年返すのか」
- 「卒業後の手取りはいくらになりそうか」
- 「就職先を辞めたらどうなるのか」
- 「中退した場合どうなるのか」
- 「返済できない時の制度を知っているか」
ここまで具体的に話されることは、どれだけあるでしょうか。
進学の入口では、奨学金は希望として語られます。しかし卒業後には、本人の借金として残ります。ここがおかしいのです。
お金がないなら奨学金を借りればいい。
この言葉は、進学の前では優しく聞こえます。けれど、卒業後には、若者の未来の労働に返済義務を背負わせる言葉でもあります。
もちろん、進学をあきらめろと言っているわけではありません。問題は、借金としての重さを十分に見せないまま、進学のための自然な選択肢として奨学金を提示する空気です。
本来、教育は社会全体で支えるべきものです。それなのに、家庭にお金がない若者ほど、学ぶために借金を背負わされる。これは、個人の努力の問題ではありません。社会の構造の問題です。
関連記事:なぜ学校ではお金の勉強を教えないのか|お金の教育をしない理由と子供に必要な知識
6. ローンビジネスとしての奨学金|未来の労働から価値を吸い上げる構造
ここからは、神格反転としての立場を明確にします。神格反転の立場では、ローンビジネスは社会に存在すべきではないと考えています。なぜなら、ローンビジネスは、人が未来に労働して生み出す価値を、貸す側が先に押さえる構造だからです。
もちろん、現実社会ではローンは存在しています。
- 住宅ローン
- 教育ローン
- カードローン
- 自動車ローン
- 奨学金
- 事業融資
これらをすべて今すぐなくせるわけではありません。
しかし、構造として見る必要があります。教育そのものを生み出しているのは、学校、教師、研究者、学生の努力です。
学ぶ本人も時間と労力を投じます。
教師も知識を伝えます。
社会も人材を必要としています。
それなのに、お金が足りないという理由で、若者が借金を背負う。そして、その若者は卒業後、会社で働き、給料から返済を続ける。
貸す側は、若者の未来の労働から返済を受け取ります。有利子であれば、元本だけでなく利子も受け取ります。
これは、神格反転の視点では、価値を生み出す側から、貸す側が価値を吸い上げる構造です。
もちろん、JASSOの貸与奨学金は民間ローンと違う面があります。第一種は無利子であり、第二種も一般的な高金利ローンとは性格が違います。返還困難時の制度も用意されています。
しかし、それでも根本にある問題は残ります。
- なぜ、学ぶために若者が借金を背負わなければならないのか
- なぜ、教育費を社会全体で十分に支えられないのか
- なぜ、家庭にお金がない人ほど、未来の労働を先に差し出さなければならないのか
ここに奨学金問題の本質があります。奨学金は、制度上は支援の形をしています。
しかし貸与型である以上、それは未来の自分の労働を担保にした借金でもあります。この構造を見ないまま、「奨学金だから大丈夫」と言うのは危険です。
7. それでも奨学金を借りてもよいケース|投資回収できる見込みがあるか
ここまで厳しく書いてきましたが、奨学金を完全に否定しているわけではありません。
現実には、奨学金を使って進学した方がよいケースもあります。たとえば、大学や専門学校に行くことで、将来的に相応の収入が見込める場合です。
- 医療系
- 看護系
- 理工系
- 情報系
- 教育系
- 国家資格につながる進路
- 専門職につながる進路
こうした場合、奨学金を使ってでも進学することで、将来的な職業選択や収入が広がる可能性があります。もちろん、絶対ではありません。
資格を取っても、その仕事が合わないことはあります。
就職しても、職場環境が悪いこともあります。
業界の収入が想像より低いこともあります。
それでも、進学と借入額のバランスが取れているなら、奨学金を利用する意味はあります。ただし、借りる前に次のことは必ず考えるべきです。
- その進学で、どんな職業選択が広がるのか
- 卒業後の想定収入はいくらか
- 借入総額はいくらか
- 毎月の返済額はいくらか
- 返済期間は何年か
- その仕事を辞めた場合でも返せるか
- 中退した場合のリスクはどうなるか
- 給付型奨学金や授業料減免は使えないか
- 借入額を最小限にできないか
奨学金は、借りられるから借りるものではありません。
未来の自分が返せる見込みがあるか。
その進学によって得られる価値が、背負う負担に見合うか。
ここを考える必要があります。
8. 奨学金を安易に借りるべきではないケース
逆に、奨学金を安易に借りるべきではないケースもあります。たとえば、何となく大学へ行く場合です。
- 「周りが行くから」
- 「高卒より大卒の方がよさそうだから」
- 「やりたいことはないけれど、とりあえず進学」
- 「親や先生に勧められたから」
こうした理由だけで多額の奨学金を借りるのは危険です。もちろん、進学してからやりたいことが見つかる人もいます。
大学で世界が広がることもあります。
専門学校で技術を身につける人もいます。
進学によって人生が変わることもあります。
しかし、借金を背負う以上、現実的な判断は必要です。特に危ないのは、次のようなケースです。
- 借入総額を計算していない
- 毎月の返済額を知らない
- 返済期間を知らない
- 卒業後の想定収入を考えていない
- 中退リスクを考えていない
- 生活費まで大きく借りる
- 給付型や減免制度を調べていない
- 親や教師に言われるまま借りる
たとえば、「とりあえず大学へ行った方がいい」と言われ、毎月8万円を借りたとします。
しかし大学でやりたいことが見つからず、中退した。その場合、学歴による収入増は得られないまま、奨学金の返済だけが残ることがあります。
これはかなり重いです。奨学金は、夢を支える制度である一方、進路選択を間違えた時には、若者に借金だけを残す制度にもなります。だからこそ、安易に借りるべきではありません。
9. 返済がきつい時に知っておくべき制度|減額返還・返還期限猶予
奨学金返済がきつくなった時、絶対にやってはいけないのは放置です。
- 返せない
- 連絡しない
- 督促が来る
- さらに怖くなって放置する
この流れは危険です。
JASSOは、災害、傷病、経済困難、失業などで返還困難な事情が生じた場合、返還期限猶予を願い出ることができると説明しています。ただし、返還期限猶予は一定期間返還期限を先送りする制度であり、返還すべき元金や利子が免除されるものではありません。
つまり、猶予は返済を消す制度ではありません。返済を一時的に待ってもらう制度です。それでも、苦しい時には大きな意味があります。
また、JASSOのページでは、月々の返還額を減額して返還する減額返還制度も案内されています。返還期限猶予と合わせて、返済が苦しくなる前に知っておくべき制度です。ここで重要なのは、延滞する前に動くことです。
- 返済が難しくなりそうなら、早めに制度を調べる
- 返還猶予や減額返還を確認する
- 相談する
- 放置しない
延滞が続くと、信用情報の問題も出てきます。JASSOは、奨学金の返還が延滞3か月以上になった場合、個人信用情報機関への登録対象になると説明しています。
だからこそ、奨学金を借りる前から、返済困難時の制度を知っておくべきです。
借りる時に、返せなくなった時のことを考える。これは縁起でもない話ではありません。自分を守るための現実的な準備です。
10. 奨学金を借りる前のチェックリスト
奨学金を借りる前に、最低限これだけは確認しておくべきです。
■ 給付型奨学金を先に調べたか。
■ 授業料減免を調べたか。
■ 第一種奨学金を検討したか。
■ 第二種奨学金なら利率を確認したか。
■ 毎月いくら借りるのか。
■ 4年間で総額いくらになるのか。
■ 返済は何年続くのか。
■ 毎月いくら返すのか。
■ 卒業後の想定手取りはいくらか。
■ 就職先を辞めた場合でも返せるか。
■ 病気やメンタル不調になった場合どうするか。
■ 中退した場合のリスクを考えたか。
■ 保証制度や保証人の仕組みを理解しているか。
■ 返済困難時の制度を知っているか。
■ 借入額を最小限にしているか。
特に重要なのは、給付型や授業料減免を先に探すことです。ベストは、返済義務のない支援を使うことです。
それが難しい場合でも、借入額を最小限にする。
何となく最大額を借りるのではなく、本当に必要な金額だけにする。
奨学金は、将来の自由と引き換えに借りるお金です。
少なく借りられるなら、少ない方がいい。
返済期間を短くできるなら、短い方がいい。
返済義務がない制度を使えるなら、それを優先すべきです。
11. 奨学金問題の本質|教育に借金を背負わせる社会構造
奨学金問題は、個人のお金の問題に見えます。
借りた人が返す。
借りる前に考える。
返せないなら制度を使う。
もちろん、それは大切です。
しかし、それだけで終わらせると、構造が見えなくなります。
本質は、教育を受けるために若者が借金を背負わされる社会構造です。
家庭にお金がある人は、借金を背負わずに進学できる。
家庭にお金がない人は、進学のために借金を背負う。
そして卒業後、会社で働いて返済する。
- 会社が合わなくても、辞めにくい
- 収入が低くても、返済は続く
- 病気になっても、制度を知らなければ苦しむ
- 人生の選択肢が、借金によって狭められる
これは、単なる自己責任ではありません。教育、金融、労働がつながった構造です。
神格反転では、これを「未来の労働を先に差し押さえる構造」と見ます。
- 学ぶために借りる
- 働いて返す
- 返すために辞められない
- 辞められないから搾取的な職場に縛られる
この流れが生まれるなら、奨学金はただの教育支援ではありません。若者の未来の労働を、金融と労働市場に接続する装置にもなります。
奨学金は、学校で教えてほしかったこと、社会に出る前に知っておくべきこと、労働法で知っておくべきこととも深くつながっています。なぜ、社会で自分を守る知識は十分に教えられないのか。
その背景にある構造については、こちらの記事で詳しく考えています。
関連記事:学校教育に足りないものは何か|学校で教えてほしかった「社会で自分を守る知識」
12. まとめ|奨学金は「支援」に見えるが、貸与型は借金として考えるべき
奨学金は、完全にもらえる給付型なら借金ではありません。しかし、返済義務がある貸与型奨学金は、実質的には借金です。
民間ローンとは違う面があります。
第一種奨学金は無利子です。
第二種奨学金も、一般的な高金利ローンとは性格が違います。
返還期限猶予や減額返還制度もあります。
それでも、借りたお金を将来返す以上、借金として考えるべきです。
奨学金を借りる前に、貸与総額、毎月の返済額、返済年数、卒業後の収入、就職後に働き続けられるか、中退した時のリスクまで考える必要があります。
ベストは、返済義務のない給付型奨学金や授業料減免を使うことです。
それが難しいなら、借入額を最小限にする。そして、返済が苦しくなった時の制度も、借りる前から知っておく。
神格反転では、これを「奨学金は、夢を支える制度である一方、借り方を間違えると人生の選択肢を狭める借金にもなります。「奨学金だから大丈夫」と考えるのではなく、未来の自分の労働で返していくお金として、冷静に判断することが必要です。未来の労働を先に差し押さえる構造」と見ます。
13. 見えない構造を読み解きたいあなたへ
この神格反転プロジェクトでは、社会、お金、教育、労働、人間関係など、普段は見えにくい構造を読み解いていきます。
見えない構造を知ることは、自分の人生を取り戻す第一歩です。
奨学金問題は、単なる進学費用の話ではありません。
- 教育費
- 家庭の経済格差
- ローンビジネス
- 就職
- 会社での労働
- 返済に縛られる人生
これらがつながった構造の問題です。
今回の話をもっと深く知りたい方には、無料で読める「神格反転の書」をお渡ししています。人生と社会の見えない構造を読み解くための入口をまとめたものです。
学校では教わらなかった社会の仕組みを、自分の目で見抜いていきたい方は、ぜひ受け取ってみてください。
説明文よりも物語で見えない構造を読み解きたい方は物語も用意しています。こちらは有料ではありますが、1話から3話のみ無料でお読み頂くことが可能です。もしも説明文ではなく、物語の世界を探検したいという場合は、物語録をチェックしてみてください。
※現在は小説のみ公開中ですが、順次完成次第、対話録、漫画録を更新して参ります。
敵は嘘により栄え、真実により滅ぶ。
やっていることが、その人の正体。




